考察
サッカーの概念を用いて、あらゆる社会的事象を分析・認識しようとする試み
17 ジダンのワールドカップ
報復をしたジダンの行為について
2006年6月、ドイツでワールドカップが開催された。
日本は、1次リーグで敗退し、部室の利用は2回にとどまった。
決勝トーナメントは伯仲し、イタリアとフランスの欧州同士の決勝となった。そして、この決勝戦後半に、ジダンはマティラッティの胸部に頭突きを食らわし退場となった。頭突きに至る経緯には、人種差別的放言なども関わり、その是非は多くの者の話題の的になった。
世界の4級審判も、あの大木金太郎ばりのストレートの頭突きを目にして、きっと、直ぐにレッドカードをあげたはずだ。
では、こんな強烈な報復ではなく、仕返しに軽く突き飛ばした程度であったらどうであっただろうか。
サッカーのルールいや人生訓には、「報復は退場」、という精神がある。
接触プレーを不可避とする以上、サッカーでも乱暴な身体的接触は避けがたい。だから、暴力によって中断したゲームを平穏に再会するため、報復を阻止することの方に力が注がれることになる。紛争は、いつも報復によって肥大化し制御不能に至るから、サッカーでは報復の切っ掛けとなる最初の暴力を止める事が重要だ。
そして、報復の連鎖を止めるために、時には誰かを犠牲としなければならないこともある。
連鎖の目を取り払うためには、実質的な被害者が逆に退場となることだってある。
報復は暴力の量ではなく、報復というその性質によって退場を命じられるからだ。退場という犠牲があるからこそ、ゲーム、そして日々の生活は何とか続いてゆくのである。
最初の暴力者よりも報復を重く罰するルールには、多くのメッセージが込められている。
そして、本人が意図するとしないとに拘わらず、報復退場の精神を表現するパフォーマンスを宿命づけられてジダンだからこそ、彼を我々は天才と呼ぶのだろう。
(2006.7.10)
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