考察
サッカーの概念を用いて、あらゆる社会的事象を分析・認識しようとする試み
9 なぜ中年DFは、ゾーンデフェンスを言い訳に使うのか(ある失点を目撃して)
大川 四元 山口 赤羽の間では、試合の指揮をとるTDに内緒で、勝手にゾーンディフェンスを取ることにしている。我々4人は、ゾーンデフェンスは憲法によって保障された中年の生存権の一部と考えているからだ。
我々は、試合開始に先立って、メンバー各自のゾーンについて暗黙の境界線を引く。そして、試合中この境界を踏み越えて隣のメンバーのゾーンにはいることは原則的に禁止されている。もし隣のメンバーが相手チームの侵攻により危機に瀕したとき、その救済に駆けつけ境界線を踏み越えたときも、「僭越」といって謝罪しなければならない。このような厳格なゾーンディフェンスすなわち中年用ゾーンディフェンスの慣習と伝統が、なぜ我々の間で暗黙の了解事項となったのか、それを解き明かそう。
まず、中年用ゾーンディフェンスとは、中年にとって、プレイヤーが自由に自分のグラウンドでサッカーを楽しめる空間を確保するための制度である。
- 1. 自分のゾーンにどやどやと汗だらけのチームメイトが入ってきては、心ゆくまで自由にサッカーを楽しむことが出来なくなる。
- 2. でも、相手チームの奴が入ってくることだけは仕方がないと覚悟している。なぜなら、これを禁止するとサッカーじゃなくなるからだ
- 3. でもチームメイトだけは絶対に俺の場所に入れたくない、グラウンドの中にも自分の城を持ちたいのは中年の本能なのだ。
そう考えた中年DFが4人集まったとき、バッカスに自然と中年用ゾーンディフェンスが生まれた 。
でも、例外があるかもしれない。
そうだ、失点に結びつくような場面で、隣人ゾーンに入り込むことは失点を防ぐためのものであり、11人の幸せを守るためのものである。これを「公共の福祉」というらしい。このような危機に瀕した場合には、隣のゾーンに入り込むことが許されても良いはずだ。
と。でもこれは見せかけの紳士的言動であり、我々4人のDFはけして騙されない。
「試合に負けても、楽しかった」という台詞は、負け惜しみなどではなく、実は「今日はグラウンドで人生を堪能してきた」と独白する台詞なのだ。
また、我々以外にも、失点の危険が迫ったときですら「グラウンド内で思索にふけるDF」が時々いるではないか。彼らも中年用ゾーンディフェンスの隠れ信奉者であり、一度蔓延った中年用ゾーンディフェンスはそうやすやすとは壊れないのである。
(2002年春期Mリーグ第3戦・第4戦の際の失点を目撃して)
- O60
- 13塩見
- 10 四元
- 61倉田
- 14石原
- 09飯島
- 17石川
- 02赤羽
- 15レイ
- 07山口
- 18小野
- 21泉谷
- 08水木
- 55太田
- 11大久保
- 22本多
- 20庭野
-
- O50
- 24西脇
- 49仁科
- 28小田切
- 30田口
- 39青木
- 42千葉
- 06大弓
- 36中田
- 32松田
- 26宮前
- 51浅川
- 33市川
- 29堀田
- 44友利
- 38ミキ
- 45鈴木
- 25森田
-
- 040
- 50遠藤
- 48後藤
- 31栗子
- 34森
- 16三上
- 37苅谷
- 40桝井
- 23若井田
- 35自然
-
- U40
- 19駿介
- 69山階
-
- レジェンド
- 総監督
- 大川
- TD
- 武田
- 大木
- 手島
- 藤田
- 古村