４２　千葉ちゃんの真実

日時：１月１８日 場所：大綱小
登場人物

千葉　利昭　４２番　ニックネイム　LEON

千葉ちゃんは、背番号４２番、２００３年度のベストイレブンに初めて選出された。
その理由は、Ｍリーグの試合に全試合出場という偉業を達成したのでも、酒が好きだからでもない。
２００３年に、【チバスル】という言葉を産んだからだ。
ためしに、バッカス国語辞典を引いてみよう。

【チバスル】動詞　横浜方言

• • 球を逸らす。例：またチバしてしまった。
• • 腰のキレが悪く、玉を入れ損なう。注意：風俗用語
• • 反町（たんまち）の真似をしたヘアーメイクをすること。

そんな彼も、ベストイレブン受賞後に負傷してしまった。腰痛だったが、新年早々には、やっと練習に参加できるくらい腰は回復した。

１月１８日の大綱小でのゲームの時だった。

彼は、いつものように【チバスル】を連発し、シュートを外しまくった。誰もが、今年も千葉の時代だと実感していた。何度もシュートを外しまくった後だった。運命は平等だから、彼に再度絶好のチャンスを与えてくれた。ゴール前の千葉に、完璧なスルーパスがやってきたのだ。しかも、相手ディフェンダーは周りに誰もいない。あのガッツンだって、５メートルくらい離れたところにいる。
ボールを右足近くでキープしたまま、ゴールまで２メートルの位置に千葉は近づいた。しかし、最近ゲームで得点していない悲しさか、千葉の右足は直ぐに動かなかった。
そこで、その直後の０．１秒ごとの身体状況の変化を追ってみよう。

このように、千葉の足と頭がバラバラになっている間に、ガッツンがやってきた。
ガッツンはダメもとで、思い切り右足を千葉の前に出してみた。すると、千葉が蹴ったボールはガッツンの右足に当たって、ゴールの外に出ていった。
周りにいた者は、 見てはいけないものを見てしまった
 
その前に、庶務２とガッツンはこう相談した。

• 今日は、徹底して千葉ちゃんマークだ、絶対無得点で終わらせようぜ
• 千葉ちゃんに暗い１週間をプレゼントするためだ
• これまでにこうして暗い１週間を過ごして潰れかけたＦＷが何人もいて、その中の何人かはDFに戻ってきた

だから、ガッツンは喜んでこれを実行した
こうして、千葉ちゃんの練習は終わり、暗い１週間が始まった。
これが、２００４年　年初の、千葉ちゃんの真実だったのだ。
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