２０　疑惑の真相

日時：１２月４日　 場所：石川自宅　PC付近

９９年１２月４日　戸塚総合グラウンドでバッカスの試合が行われたと言われている。
しかし、このバッカス対エスカフェ戦については、巷間様々な疑惑が囁かれている。
そこで、本日は、ＴＤ作成の試合解説を資料として、サッカー疑惑に詳しいジャーナリスト「デテェクティブ石川」氏（以下、TDではなく、「ＤＴ」と略させていただきます）をお迎えして、試合内容を分析していただいた。

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（司会）まず、ご紹介を
（ＤＴ）はじめまして、疑惑のゴールから、疑惑の審判まで、疑惑を研究して１５年の、デテェクティブ石川です。最近の最も疑惑に満ちたゴールは、９９年７月２０日の郵便局戦で５番が得点したと言われているゴール。実は、これは真相は石川のゴールだった。
（司会）そう言えば、そのドリブラー石川と似ていますね、
ところで、そんな昔のことことではなく１２月４日のエスプレッソ戦を分析してもらえませんか。
（ＤＴ）私は、ドリブラー石川とは何の関係もありません。でも、彼は天才です。そうでした、暮れのエスカフェ戦でしたね。結論から言いますと、この試合は、存在していません。
（司会）え？　やはり噂は本当ですか
（ＤＴ）間違いないはずです。一つ一つ、根拠をお話しましょう。
まず、この試合を目撃した人はいません。試合に出場したと言い張るバッカスの１３名がいるだけで、当事者ですから信用できません。
（司会）確かに、大倉山のエルム通りでは、このエスカフェ戦に関しては、話題にも上っていません。
（ＤＴ）次に、ＴＤから報告のあった試合経過では、この試合に須藤兄弟という選手が登場していますが、この須藤兄弟は、バッカスごとき中年の試合に参加してくれるような安上がりな選手ではありません。もし、試合に来るとしても、ベンツで来場するはずで、当日会場にベンツが停まっていたという情報もありません。
（司会）そうですね、バッカスの試合に助っ人に来ても、せいぜい交通費程度しか支給されませんので、この須藤兄弟のような著名な選手の場合参加することはまずあり得ませんね。
まてよ、１０番が言っていましたよ、新幹線で来てくれたって
（ＤＴ）それは、完全なガセネタです。
それに、この日、レイモンドが参加したように言われていますが、レイモンドは、膝故障で、今期後半を棒に振っていたＦＷですよ、この日までに回復していた、ということは私の耳に入っておりません。
（司会）でも、１１月のバッカスのミニゲームで元気な姿を見かけた、という人もいますが。
（ＤＴ）それも、ガセネタでしょう。
あの故障個所は、治療に長引くんです。それに、２１番泉谷の参加も怪しいものです。少年サッカーの審判に忙しいこの時期に、わざわざ参加してくれるものかどうか？　また、ベベット大川だって、不整脈を抱え、風邪を引きまくるなど体調は完全に悪化していたはずです。
以上のような理由から、参加選手の構成に疑問があり、本当に試合が実施されたかどうか疑わしいものです。
（司会）疑問点は、それくらいでしょうか
（ＤＴ）とんでもありません、もっとあります。
第１セットの失点のシーンを見て下さい。山之内のキックミスに端を発して失点したと記載されていますが、山之内にミスは無いはずです。
（司会）でも、その解説の中に、「ロングシュートを受けたＧＫは全く反応しない」という記事がありますが、これなどは、これまでのバッカスの試合の経過と極めて似ていますので、信憑性はあるのではないでしょうか
（ＤＴ）ＤＦのミスをカバーするのがＧＫの使命の一つですよ。全く反応しないなんてことはありえないね、この辺の記事は、以前のエスカフェ戦でのキックオフシュートを真似した作為性が顕著です。
（司会）他には
（ＤＴ）それにね、飯島のポジションが気に入らないね。ここ右サイドバックは、庶務２のポジションですよ、彼が欠場しても、ここのポジションは空けておくくらいの配慮が当然あるべきなのに、この試合経過だと、右サイドバックが、飯島のポジションになっているのは、不自然きわまりないね
（司会）同感です。
でも、記事によると飯島は、DFなのにどうも右の高い位置でプレーしすぎているようなきもしますが、このあたりは、かなり飯島選手のプレースタイルに近く真実性に富んでいますね。
（ＤＴ）少しくらいの真実性に誤魔化されてはいけません。それに見たまえ、第３セットでのベベット大川のオーバーラップの記載を。ベベットがこれまで、オーバーラップしたことを見たことありますか、もしオーバーラップしても、右足のアウトサイドでセンタリングを上げたことはありますか、噂では、監督に対し玉出しを要求して怒ったと言うじゃありませんか、そんな非紳士的なベベットは見たことありませんよ
（司会）でも、時々「くそ」っていいますよ
（ＤＴ）いいんです、「くそ」くらい、そんなの糞食らえです。
（司会）他に何か決定的な証拠が欲しいものです
（ＤＴ）勿論用意してあります。
監督の活躍がここでは記載されていますが、これが一番問題ですよ。その前の試合でふけまくった監督が、急に一週間で絶好調になるのが不自然ですね。また、２ゴールは分かるとしても、４アシストは、バッカス新記録ですよ。あの生まれながらのＦＷ根性が、簡単に変わるとも思えないし。
（司会）そうですね、何のために遺伝子があるのか、といいたいところですね
（ＤＴ）それに、本件では、偽装試合を捏造する重要な動機があるんです。
（司会）それは何ですか。
（ＤＴ）年末のベストイレブン選出を控えて、どうしても活躍ポイントを稼いでおきたい選手は、ここは談合でもしてどうしても偽装試合を作りたかったはずです。間違いありません。参加者といわれている１１名全員が、大倉山の記念館にでも集まってストーリィーでも考えたのでしょう。
私は、そう思いたいんです。
（司会）確信と言うよりも、願望ですね
（ＤＴ）というより、この試合に出場した人が羨ましくてなりません。
（司会）結局、どういうことになりますか、私には分からなくなってきました。
（ＤＴ）簡単じゃないですか、自分の出ていない試合は、全部幻ということです。
 
（司会）これが一番説得力のある説明ですね、
デティクティブ石川の推理は、いわゆる「見ていない月は存在しない」と言う、量子力学の推論を使ったきわめて科学的な評論でした。ありがとうございました。