11 高熱の夢

大久保の自宅布団 1998年8月2日

増田が、中央やや右寄りを縦に猛スピードのドリブルで駆け上がる。
俺は、増田がボールをキープしたと同時に、追いかけるように 右前方へスパート。
振り幅のない右足で、前方にいる柳沢にグラウンダーの縦パスがつながる。柳沢は、相手ディフェンダーにフェイクをかけると同時に、右後方から攻め上がる俺に向かって右アウトサイドでチョンと出す。
フリーの俺は、待ってましたとばかりに、左インステップのカミソリシュートを放つ、と、これがVゴールに!
私は、左足で決めたシュートの感覚に浸りながら、布団の脇にある タンスのどの辺りを蹴ったのかな?と思っていた。
早暁から居間に起きだしていた息子が、大きな音に驚いて寝室に駆け寄ってきた。
「父ちゃん! どうした!!??
「うん、今シュートを決めた!!」
彼は、呆然とも憮然ともつかない表情でまた居間に戻っていった。
それから、一眠り。アントラーズの一員として活躍できた満足感を胸に、今日も私は点滴をするため、三保耳鼻咽喉科に向かった。

(解説)
11番が高熱を出しているとき、仲間は合宿中でした。
それまで合宿を一人準備してきた11番には、高熱のため合宿に参加できないという現実を体が受け入れてくれません。
息子は慈愛とも呆れたともいえる目で彼を見ているのがよく分かります。
幻想に誘ったのは、39度台の高熱の後遺症だけではないことが理解できれば、国語の評点は5です。

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