Mリーグ開幕する(2002年4月20日)
バッカスの活動も6年目を迎え、晴れて地域リーグに加盟する運びとなった。
2002年4月20日、保木公園において、名誉ある開幕戦が開かれた。
編集部:Mリーグとは
横浜市北部の中年サッカーチーム(6チーム)が、春期と秋期にそれぞれ総当たり1回戦のリーグ戦を行い、各チーム合計10試合の結果で優勝をきそうリーグ戦である。
開幕前に、参加者が集まらないことを心配していたTDは、逆に、21名もの参加者の割り振りに頭を抱えることとなる。
39 第一試合 荏子田戦
荏子田戦:1対1(得点石川)
前半 20分
試合経過
キックオフは、塩見から、記念すべきMリーグの開幕は、年功序列を旗印に静かに開始された。
ボールは、中盤の監督、大久保、石川、TD、そして隠れ中盤の飯塚を介して動く中、DFに入った小野の体は徐々に硬直していった。1対1を仕掛けてくる相手FWのしつこさが嫌いだった。見ず知らずの相手の体に接触しても「済みません」の一言も言わない無神経さに腹が立った。そして、硬直したときに寝技に持ってゆくのが普通の中年の癖であるとするなら、このときも小野はそんな寝技を期待していたが、相手は添え寝をすることもなく、脇を駆け抜けていってしまった。
総監督にとって、この日が復帰第一戦、開始後5分間の約束でスタートしたが、体調もよく、DFもしっかり守っていてくれ、おまけに隠れGKの飯塚がゴールキックまでしてくれた。
塩見は、その身体能力の高さを生かし、相手DFとの小競り合いでは常に押し切っていた。14分のシュートでは、相手DFの顔面まで捉えている。
0対1、これが前半戦の結果だった。
後半 20分
試合のリズムは、安部と能勢の献身的な中盤の動きが作ってくれた。
開始早々1分では、石川が、ゴール前でのこぼれ玉を右から持ち込んでシュート、そして逆転の期待が高まった。3分、4分とゴール前で続いた混戦では、石川は得点の臭いを付近にまき散らしていた。
安部、能勢のボールキープが生んだ安定したゲーム進行は、何度もシュートチャンスを創り出していた。安部自らも、2分にセンターからミドルシュートを放っている。
11分、13分と立て続けに仁科のクロスボール。そして13分のCKでキックの感覚を整えた飯塚は、15分にセンターから強烈なミドルシュート。惜しくも左ポストに当たったが、流れはバッカスに傾いたままゲームが進行していった。
DFの山口は飄々とプレーしていたが、体調不良の宮里は、16分に大久保と交代した。この日、栄えある3番のユニフォームを渡された宮里は、故障箇所を隠して試合に参加していたのだった。
ということで、後半は、1対0
荏子田戦は、1対1の引き分けに終わった。
40 第2試合 青葉戦
青葉戦 4対1
前半 20分
開始早々1分、左サイドからジョニーのクロスに反応した大久保は確実にゴール。ジョニーのラテンのリズムが初めてバッカスの中年のリズムと歩調を合わせた瞬間であった。
借りを作った大久保は、今度は10分に左から綺麗なクロスを送ると、今度はジョニーがシュートして2点目だ。これで、二人の間の貸借は精算された。
監督は、安部と中盤でパスを交換しながらスペースを創り出すと、5分に最初のシュート、16分には胸トラップの後でボレーシュートという離れ業まで披露した。19分には、ゴール前30メートのFKでゴールを狙っている。強い相棒に囲まれたときの監督は、サッカーの神髄を見せてくれる。
泉谷は、ジョニーのラテンのリズムに対し、浪速のリズムで対抗した。
ということで、青葉戦 前半は 2対0
後半20分
途中での選手交代で、フォーメーションは何がなんだか分からない状態となってしまった。
途中参加の安住などは、グラウンドの中で迷子になりかけ、試合後になって言った。
「ハーフは、守備もしなくちゃいけないことは、試合後やっと気がついた。
得点は、まず、9分に飯塚がドリブルで持ち込み、ゴールやや右側からシュート、そして、11分には石川がゴール前でボールを旨く捌きシュート、いずれもアシストのつかない個人技から生まれた得点だった。
8分頃、四元に相手FWは話しかけた。「皆さん若いですね、うちなんか平均年齢46歳ですよ」、四元は交代のいない相手チーム選手の健闘を称えそして慰労し、二人はグラウンドを肩を並べて散歩していた。
試合の締めくくりは、後半12分のバッカスの失点シーン
- 山口が、ペナルティエリアの外で、思い切り腕を突き出すと、そこにボールが飛んできた。
- 山口は紳士だった。だから自分のハンドを正直に身振りでうち明け、相手にFKが与えられた。
- 総監督は、相手チームに中村俊輔はいないと確信し、ゴール中央で平然と待ちかまえていた。
- 突然蹴られたボールは総監督に向かってその胸に吸い込まれてゆく。かのように見えた。
- ところが、ボールは、総監督の胸から下に落ちると、その右脇腹をすり抜けて、ゆっくりとゴールラインへ向かって斜めに転がっていった。でも総監督は、最初の位置のままに足を置いたまま、そしていつものように振り返った。
- ボールは、これまでの総監督の人生を振り返るに足りるだけの長い時間をかけてゆっくりと地面を転がっていった。ゆっくりと。
- ボールが白線を越えたとき、突然チームメイトは一斉にゴール方向からセンターライン方向に体の向きを変え歩き出していた。
- 「誰も見ていない失点は失点ではない」
- というルールがあるのではないかと祈りながら。
- 総監督は、背中を向けたチームメイトの後ろ姿を見ながら、チームメイトの祈りには気づいていなかった。
この日、バッカスの開幕戦は、1勝1引き分けとなった。
39 荏子田戦
- 日時 2002年4月20日
- 場所 保木
- 得点 1対1
- 得点者 石川
40 荏子田戦
- 日時 2002年4月20日
- 場所 保木
- 得点 4対1
- 得点者 石川 大久保 ジョニー 飯塚
- 参加者 22名
- 加藤 ジョニー TD 総監督 能勢 宮里 安部 飯塚 安住 千葉 青木 小野 泉谷 塩見 庭野 大久保 赤羽 山口 石川 四元 監督 仁科
- 平均年齢 46.9歳
- O60
- 13塩見
- 10 四元
- 61倉田
- 14石原
- 09飯島
- 17石川
- 02赤羽
- 15レイ
- 07山口
- 18小野
- 21泉谷
- 08水木
- 55太田
- 11大久保
- 22本多
- 20庭野
-
- O50
- 24西脇
- 49仁科
- 28小田切
- 30田口
- 39青木
- 42千葉
- 06大弓
- 36中田
- 32松田
- 26宮前
- 51浅川
- 33市川
- 29堀田
- 44友利
- 38ミキ
- 45鈴木
- 25森田
-
- 040
- 50遠藤
- 48後藤
- 31栗子
- 34森
- 16三上
- 37苅谷
- 40桝井
- 23若井田
- 35自然
-
- U40
- 19駿介
- 69山階
-
- レジェンド
- 総監督
- 大川
- TD
- 武田
- 大木
- 手島
- 藤田
- 古村